変な名前の野草の由来

「どうしてこんなひどい名前をつけたのだろう」と話題になる野草がありますが、大抵はごく普通に街中に生えている雑草です。花壇で大事にされて無いので適当に命名されたのでしょうか。

 でもそれらの花は意外にきれいです。命名時にその事があまり着目されなかったのか、ひどい名を付けられたので奮起して綺麗になったのか。私としては後者の方がいいなあ。


オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)

オオイヌノフグリ

 早春に咲く代表的な雑草。青く小さなたくさんの花がまだ寒い道端で輝いている。紫色のホトケノザと一緒に咲いている事も多い。キン?マの様に二つ並んだ実が名前の由来だが、奥まっているので一般には気付けない。

ヘクソカズラ(屁糞葛)

ヘクソカズラ

 つる性の雑草で金網のフェンスにからまっているのを良く見かける。いじると名前通りに納豆に似た臭い匂いがする。花は変わった色と形で、中には毛みたいのが生えている。芋から生えているがこれもまた臭い。

ハキダメギク(掃溜菊)

ハキダメギク

 舗装路の割れ目などに良く咲いている。そこにはゴミやクズなどが吹き溜まっていて名前通りの環境ともいえる。大抵は汚れていてショボイ印象だが、花はチューリップ型の花びらが5枚あって予想外にとてもきれいだ。

ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)

ママコノシリヌグイ

 遊歩道の植え込みなど低木の上に茂っている。茎に棘があるのでさわると痛い。そのため連れ子のお尻を拭くのに適しているとは何とも残酷な事だろう。花は厚みのある白とピンクのツートンカラーで可愛らしい。

ノボロギク(野襤褸菊)

ノボロギク

 植え込みの脇や舗装路の割れ目に生えている。ぼろは着てても~と歌われるが、花は苞の部分に固く包まれてタンポポの様に開かないので、見た目はずっとつぼみのままだ。苞は綿毛の種を飛ばす時にやっと開く。

ヤブジラミ(薮虱)

ヤブジラミ

 半日陰のヤブっぽい所に生えて小さな白い花が花火が弾けて広がったように咲く。実はいわゆる「引っ付き虫」で3mm位の種がいつのまにかズボンに付く。その様がシラミみたいだというのが由来のようです。

ヌスビトハギ(盗人萩)

ヌスビトハギ

 引き続き「引っ付き虫」の草。名の由来はいつの間にかタネがくっ付くさまがスリにやられた様だという説と、タネの鞘が泥棒がこっそり歩く時の足跡に似ていると言う説があるが、何れにしても無理がある。

ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目)

ヨゴレネコノメ

 山の中のきれいな沢のほとりに咲いている。葉っぱが薄汚れたような色をしているのでそんな名がついているが、花の周辺のぼかしの入った色合いがとてもきれいだ。アクセントに赤い葯が決め手になっている。

クサイ(草藺)

クサイ

「臭い」かと思って仲間に入れたが草の様なイグサという事らしい。公園のベンチで休んでいる時に傍らに1-2mmの花が咲いていた。写真に撮って拡大してみてビックリ。雌しべの先が羽根の様になっている。

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