野生動物との出会い

 野生動物とのちょっと珍しい出会いのお話です。ほっこりするお猿の横断歩道、イノシシがフットワーク良かったり、ウグイスが発声練習してたり、ツグミが木の擬態をしたり、キビタキがハチの羽音をたてたり、サンコウチョウがゲコゲコ鳴いたり、鵜が団体行動したり、鷹の捕食や渡りなどの目撃談。

おさるの横断歩道

 高尾山から陣馬山に向かう、大変ポピュラーなハイキングコースでの出来事です。

 日本猿の群れが何の前ぶれなく私の前の50mほど先を右から左に渡りだしました。 サルにとって人間が頻繁に通るハイキングコースは道幅の広い自動車専用道みたいなものなのでしょう。生活範囲を広く保つには、どこかで反対側に越して行かないとなりません。

 最初は数匹なのかと思いましたが、次から次へと数十匹が足早に横切っていきます。少し前方をご婦人が一人歩いていましたが、ビックリして戻ってきました。まあ刺激しないようにしばらく見守っていようと、じっとしていることにしました。
 気が付くと、渡ってしまわずこっちをずっと見ているサルが一匹だけいます。そのサルは渡っていく群れが途切れると、まだ残りがいないかと右側の林の中を覗き込んで皆が渡ったのを確認してから、もう一回こちらを振り返って左側の林に去っていきました。

 きっとボスザルなのでしょう。リーダーっぽくて格好良かったです。最後にこちらを見たときには「待っていてくれてどうもありがとう」と言っているような気がしました。

イノシシのフットワーク

 JR青梅線御岳駅から惣岳山、岩筍石山、最後にお寺のある高水山と登って、軍畑駅に下山しようとした時でした。

 何やら犬が吠え立てているのが聞こえ、野犬だったらいやだなと思っていた時です。100mぐらい先の左の茂みから何か大きな黒いかたまりが出てきて、そのまま右に走りすぎて行きました。そこは比較的開けた場所だったのでしばらく見ていましたが、どうやら野犬ではないようです。薄汚れた感じで、犬よりはずっと大きい動物でした。
 見えなくなってしばらくすると、今度こそ犬が出てきました。先ほど吠えていたやつでしょう、中型の洋犬です。先ほどの動物を追ってこれまたすぐ行ってしまいました。そして次に出てきたのは鉄砲を持った猟師らしき方です。

 そこでやっと犬は猟犬でイノシシを追っているのだと理解しました。ふと気付いたのは、イノシシは猪突猛進で真っ直ぐにしか走れないと思っていましたが、決してそうでなかったことです。重そうな体でしたが、ジグザグにピョンピョンとフットワーク良く走っていました。

ウグイスの発声練習

 ウグイスは「ホーホケキョ、ケキョケキョ」と、あの小さな体で信じられないほど大きな声でさえずります。ところが、ひそかにその練習をしているのを目撃しました。
 玉川上水沿いを散歩していたらチャッチャッと地鳴きする声がしたので木を覗き込んだら、チョコマカ動いているやつがいます。これは間違えなくウグイスです。
 そのうちに時々かすかな声で「ケキョケキョ」と聞こえました。春が近くまで迫ってきたので発声練習していたようです。(2016年初春)

ツグミが木の枝に擬態

 野川沿いに散歩していた時、木の枝にツグミがとまっていました。見ていると首を伸ばしてどんどん細くなっていきます。この姿はテレビで見たことがあるぞと思い出すと、フクロウが自分より強いフクロウに会った時にみせる木の枝への擬態です。
 見上げるとトンビが飛んできたので、鷹に対する防備動作だったようです。トンビは生きたツグミは追わないと思いますが、この辺りに鷹が飛んで来るのは珍しいのでびっくりして本能が目覚めたのでしょう。
 私もこんなに細長いツグミを見たのは初めてなのでびっくりです。(2010年初春)

キビタキがハチの羽音

 陣馬の山を歩いていたら、木の上からブーンブーンというハチの羽音かハム音のような音が聞こえてきました。音の出所を探したらキビタキが2羽で飛び回っていました。
 お互いを追いかけているようでしたので、縄張り争いか彼女の取り合いでもしているようでしたが、それにしてもどうしたらそんな音が出るのでしょう。(2016年春)

ゲコゲコ鳴くサンコウチョウ

 あたご尾根でサンコウチョウを至近距離で観れました。尾がとても長い珍しい鳥を間近に観れて感激です。
 ツキヒホシとは囀らないで、歩いているすぐ横を「ゲッ、コココ」と変な声を出してしばらくついてきたので、きっと「なわばりに近寄るな」と怒られていたのでしょう。
 ちなみにあたご尾根にある愛宕神社奥宮は、山の中にいきなり見事な彫刻のある神門があり、中に本殿と拝殿がある立派な社殿を構えていて、最初に訪れた時は思わず「まぼろしー」と叫んでしまいました。(2023年夏)

鵜の団体行動

 多摩湖の堰堤から湖面に水鳥が50-60羽浮かんでいるのが見えました。でもちょっと目を離したら一羽もいなくなった。どこに行ったのかと思ったらそのうち一羽二羽と浮かんできました。カモだと思ったら鵜だったようです。
 見ていると潜るときはいっせいに潜ります。クジラなどが餌を捕るのに集団行動をするのと同じ理屈なのでしょう。
 これまで公園の池や河原でひなたぼっこしているところばかり見ている鳥ですが、さすが鵜飼で使われるだけのことはあります。(2013年冬)

鷹の捕食を目撃

 通勤で最寄りのバス停に向かう途中に偶然にタカの捕食シーンを目撃しました。頭上で何かバシンとぶつかる音がして、何かが10メートル程先に落ちてきました。何が起こったのだろうと見るとタカがハトを掴んで周りを見回していました。
 通勤中なのでその時はそのままバス停に向かいましたが、鷹の生態にとても興味を持ちました。(2010年夏)

鷹は静かに渡る

 鷹の一部はいわゆる夏鳥で秋になると避寒のため東南アジアに旅立ちます。この「鷹の渡り」を一回観たいと狭山湖に行ってきました。
 展望塔は人で溢れていたので広場のベンチで仰向けになり上空を双眼鏡で眺めていたら、ちょうど偶然サシバという鷹が羽ばたくことなく、当たり前ですが音もなく、ツーーーと渡っていきました。この時思い出したのは風の谷のナウシカのメーベのシーン。うまく言い表せてないかもしれませんが、あの子は良く風を読むじゃなくて、鷹っていうのは他の鳥とは別格にかっこよいなあと感動しました。(2010年秋)


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