奥多摩の一般登山道で急登といわれる7ルートを登り比べました。個人的な体感としての奥多摩三大急登は本仁田山、六ツ石山、御前山ですが、距離と標高差によるデジタルな比較もしてみました。
ついでに若干お気軽に急登を愉しめるプチ三大急登コースも紹介します。
対象の山 | 標高 | 登山口 | 標高差 | 直線距離 | 仰角 | |
急登のルート名 | ||||||
奥 多 摩 | 本仁田山 | 1224m | 安寺沢 | 710m | 1160m | 31度 |
大休場尾根 | ||||||
鷹の巣山 | 1736m | 東日原 | 1120m | 2770m | 22度 | |
稲村尾根(2019年から通行止) | ||||||
天祖山 | 1723m | 八丁橋 | 1040m | 2780m | 20度 | |
八丁橋ルート | ||||||
六ツ石山 | 1478m | 水根 | 860m | 2460m | 19度 | |
水根ルート | ||||||
御前山 | 1405m | 小河内ダム | 880m | 3380m | 15度 | |
大ブナ尾根 | ||||||
鋸山 | 1109m | 奥多摩駅 | 780m | 3180m | 14度 | |
鋸尾根 | ||||||
三頭山 | 1531m | 深山橋 | 1000m | 3920m | 14度 | |
おツネの泣き坂 | ||||||
短 区 間 | つづら岩 | 929m | 綾滝 | 294m | 400m | 36度 |
上高岩山 | 1005m | ロックガーデン | 240m | 500m | 25度 | |
ヤセオネ峠 | 315m | 宿谷川 | 222m | 515m | 25度 | |
参 考 | 谷川岳 | 1963m | 土合口 | 1170m | 2720m | 23度 |
西黒尾根 | ||||||
高尾山 | 599m | 清滝 | 400m | 2190m | 10度 | |
一号路 |
最初はつづら折りで高度を上げるが、ザレてとても滑る箇所がある(写真左)。尾根についてからのしばらくと頂上の手前も急登だ(写真右)。アクセスの良い割に登り甲斐がある山だ。
2024年時点でまだ通行止め。尾根は植林が少なく上部はブナ林が広がっている(写真左)。急登でも斜度が安定して歩きやすかった。頂上は石尾根に連なっていて好展望だ(写真右)。
八丁橋から一気に高度をあげる途中に難所があり滑落には注意。尾根が広く懐が深い山の印象。緩急おり交ぜてぐいぐい登っていく。頂上は写真の様な原生林のなかにあって森閑としている。
アセビの群生がある先からがいよいよの急登となる(写真左)。トオノクボまでは植林の中だがハンノキ尾根は広い防火帯になっていて気持ち良い(写真右)。頂上は南アルプスの眺望が良い。
小河内ダムから登り始めてすぐ急斜面のワイルドな道となる。それを越えれば普通の登山道で惣岳山から上は公園の様に整備されている。写真左は頂上からの石尾根。富士山はソーヤノ丸デッコから。
入山してすぐ見上げるような石段があって少しめげる(写真左)。尾根は高度感のある岩の上を通過したり鉄梯子を登ったりとなかなか厳しい。写真右は難所の岩場だが、実は迂回路がある。
ムロクボ尾根とヌカザス尾根があるが前者の方が急登感がある。上部は悲話のあるおツネの泣き坂だ(写真左)。入小沢の峰から先は一転して緩やかになりブナなど広葉樹の森が楽しめる(写真左)。
短区間の急登がある低山なら、若干お気軽に急登を愉しむことができます。
千足バス停から馬頭刈尾根への道は沢沿いに天狗ノ滝・綾滝を見ながら登っていきますが、その先のつづら岩まで結構な急登が続きます。つづら岩は岩登り専用なので一般登山では下を巻きます。
御岳山のロックガーデン遊歩道から上高岩山に直接登る道があります。崖の様な急斜面ですが道がうまく作ってあり危なげなく登れます。上高岩山展望台からは養沢川の対面に御嶽神社が見えます。
奥武蔵の宿谷の滝から物見山への道は途中から岩混じりの急登になります。標高はとても低いですが石尾根を登っている様な気分になれます。登り切ると宿谷川の谷間に日光男体山が覗き見えます。
急登を登ることをアルバイトと言う。高度を一気に「稼ぐ」からだ。そして頂上には眺望のご褒美があるに越したことは無い。写真は六ツ石山からの南アルプス眺望。タップして拡大でご覧ください。