奥多摩や奥武蔵には狼信仰があって狼が狛犬の代わりをしている神社がありますが、大抵はアニメなどで見るような精悍で怖そうな感じです。例えば代表的な狼信仰神社である武蔵御嶽神社の大口真神の石像はそのようなお姿です(写真右)。
でもニホンオオカミは、小学生が見つけて話題になった国立科学博物館のはく製(リンク:NHKニュース 2024年3月8日)を見る限りは、額から鼻先までの線がもっと直線的なのっぺりした顔で、どちらかと言えば可愛い風体の様です。絶滅する前に見てみたかったものです。
そこでここでは、かわいい感じのオオカミ様の石像がある神社10社をご紹介します。
「すずのごぜんじんじゃ」と読みます。檜原村の湯久保集落から尾根を登っていくと岩壁を背にした所に祠があって、厳かな感じがする所です。オオカミ様の石像は山奥の割には状態が良く、威厳もあるけど可愛らしい感じです。
檜原村の笹久保バス停から階段を登った所にあります。「きふねじんじゃ」と読みます。オオカミ様は本殿横の祠の両脇を守っていますが、右側の石像はほとんど壊れてしまっています。左の石像も鼻が少し欠けているのが却って可愛さを増しています。
檜原村の「森のおもちゃ美術館」の裏山にあります。本殿裏にある祠の両脇には新しい石像がありましたが見た目が全く犬の様です。先代と思われるかわいいオオカミ様は一体しか居ませんでしたが本殿の中で隠居していました。
武蔵五日市の小和田地区の裏山にあります。本殿に新しく作られている石像はここもまた犬の様な見た目でしたので、横の祠に居られる少し風化しているオオカミ様の方が味わいがあると感じました。
秋川側から臼杵山を登って山頂のすぐ手前、グミ尾根が分岐している所に祠があります。左側の「ん」の方のオオカミ様の石像の頭部は割れていて、だいぶ風化してしまっています。こちらのオオカミ様の石像は口が大きくて少し怖い感じです。
大岳山直下の登りがいよいよ始まる肩の部分、大岳山荘の跡を過ぎた所に小さめの拝殿と本殿があります。拝殿の左右のオオカミ様は可愛くデフォルメされた様な形ですが、「あ」「ん」の区別が無いように見えます。
大嶽神社の里宮で檜原村の白倉バス停から10分ほどです。本殿にオオカミ様はいなくて脇の祠の前に居られました。予想外に小さくて10cmぐらいの石像です。でもとても優しいお顔をされています。
御前山の中尾根を降りていくと、山の真っ只中に祠があります。こちらのオオカミ様は2対居られて一対は子持ちで、一対は少しずんぐりした形です。登る場合には登山口がとても分かり難い所です。
東村山市南部の古い地名で「おんた」と読みます。オオカミ様が居るのは末社ですが、何と同じ屋根の下に御嶽神社と三峰神社が同居しています。オオカミ様はまるで絵本に出てくる感じの容姿です。
五日市街道沿いの住宅地にあって石像は色々と着せてもらったりしています。うつむき加減のポーズで顔立ちがはっきりせず、お狐様の様にも、お犬様の様にも見えるオオカミ様です。
かわいいオオカミ様の特集というこのページの趣旨に反して強そうで怖そうな石像ですが、機会あってお会いしましたので番外で掲載しておきます。
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